スノー天国
2023.12.08

アフタースキーは札幌市街で。街と海が迫る〈テイネスキー場〉の極上ゲレンデへ

都市と大自然が隣り合わせの札幌は、冬にその真価を発揮する。極上のパウダースノーを堪能したら、アフタースキーは街へ。そんな遊び方に魅了され東京から足繁く通う、スタイリストの金子夏子さんによる札幌冬ガイド。

Photo: Neil Hartmann text: BRUTUS

20分〜1時間のエリアにスキー場が6つ。

例えば東京に住んでいる人が日帰りでスキー場に行こうとしたら、それなりにチョイスがあって、例えば関越自動車道を走れば、2時間くらいでアクセスできる。しかし、混雑したゲレンデを後にして、首都圏の渋滞に飛び込んでいくかのようなロングドライブはなかなか堪える。

その点、市内だけで6つのスキー場を擁する札幌なら、極上のパウダースノーと、どこよりも充実したアフタースキーを楽しめる。もちろん、全国的にはニセコやトマムが有名だが、ウィンタースポーツを楽しむために新千歳空港に飛び、大都会札幌に滞在しながらゲレンデに通う人も少なくないのだ。

金子さんの2023年初滑り北海道スキートリップの様子。札幌某所で、ガイドと共にバックカントリーを楽しんだ。

仕事前の朝活スキーが憧れ。

東京を拠点に、数々のファッション誌で活躍するスタイリストの金子夏子さんもまた、そんなひとり。元々、四季を通してアウトドアが好きで、スキーも北海道各地に赴くが、ウィンターシーズンの札幌にも魅力を感じ年に4〜5回は訪れているという。

「札幌のお友達が、仕事前の朝活スキーとか、仕事終わりの夜活スキーをすると聞いて、すごく羨ましいと思いましたね。気に入ったゲレンデのシーズンパスポートを持っているんですよ。車にスキーを積んでおいて、朝イチ1〜2時間サッと滑って、仕事に行くなんて、私にとっては憧れの生活」
金子さんにとってのお気に入りのスキー場を聞いたら、市内北部手稲区にあるサッポロテイネスキー場を挙げてくれた。

景色の中に落ちていくかのような大迫力!天気が良ければ夜景も美しい。

1972年冬季オリンピック会場、2017年冬季アジア大会や国体などの会場になるだけあり、国内屈指のコース設計と雪質が自慢。

圧巻のパノラマと、コースレイアウト。

「札幌市街から40分くらいで行けるのに、オリンピックが行われたほどのスキー場。コースも豊富で、まだ挑戦できていないハイランドコースの「北かべ」を攻略したいですね。雪が降ればパウダーも楽しめるし、晴れたら街と海が見渡せるパノラマビューが素敵なんです!」
また、街にも自然にも魅力があり、だからこそ人も懐が大きいと語る。札幌市内ならではのウィンタースポーツの楽しみ方も教えてくれた。

スキー場から見渡す大海原は、特別な景色として目に焼き付く。

目の前に石狩平野と石狩湾の大パノラマが広がる。いかに自然と街が近いかを実感できるロケーション。

スキー場はコースレベルも様々で、遠方からのビジターも、ローカルスキーヤーも、老若男女が広々とシュプールを描く。

スキー場はコースレベルも様々で、遠方からのビジターも、ローカルスキーヤーも、老若男女が広々とシュプールを描く。

「いつもは空港でレンタカーを借りて、札幌市街にステイします。大小様々なスキー場があるから、地元のお友達にその日コンディションの良さそうなゲレンデを聞いて滑りに行くんです。今日はテイネ、明日は札幌国際みたいにホッピング!ガイドさんをお願いしてバックカントリーを楽しむこともできるし、お客さんの年齢もレベルも様々、いろんな人たちが滑りに来ていて、ローカル感がまた魅力なんですよね」

スキーもグルメも欲張りたい人は札幌!

街と自然が近い場所という札幌の土地は、訪れる者にあらゆる楽しみを残してくれる。札幌市街にステイしたくなる理由を金子さんはこう説明する。
「昼滑って、夜はおいしいご飯。札幌には必ず立ち寄る行きつけがあるんですが、夜ご飯を食べながら、“雪はどうだった?”“スキーの調子は?”といった話で盛り上がるのがいいんです。例えば天気が悪かったら美術館に行ったりもできるし。最終日はおいしい食材を買い物して帰るのが最高なんです」

最後にとっておきのアドレスを教えてもらった。
「ジンギスカン料理なら狸小路の『アルコ』。その近くの餃子のお店『キリン』もいろいろとおいしいですよ。あとは、お寿司と中華のお店『揚子江』もおすすめで、大人のお子様ランチ気分でお寿司と鶏ザンギを楽しんでいます。そして、つい締めに行ってしまうのが 『クマデ』。ナチュラルワインと軽いおつまみを楽しんでいます」

≫参考記事
『おいしい店は、札幌・狸小路の奥にある。案内人・岡本仁』

サッポロテイネスキー場

住所:札幌市手稲区手稲本町593
札幌中心部から15km。石狩平野と石狩湾を見下ろす手稲山に、76ヘクタールのゲレンデが広がる。8コースのオリンピアゾーンと7コースのハイランドゾーンを擁し、コース総距離が約16km、最長滑走距離は約6km、標高差683mがパウダースノーに覆われたら、まさにパラダイス。初心者でも山頂から楽しめるコース設計も嬉しい。
https://sapporo-teine.com/snow/

PROFILE

金子夏子(スタイリスト)
かねこ・なつこ/ファッション誌やブランドのカタログなどで活躍するトップスタイリスト。アウトドア好きとして知られ、山登りからスキー、ウォータースポーツまで、四季を通じてアクティブに自然に親しむ。おいしいものも大好き。
@natsukokanekoop