スノー天国
2024.01.19

ローカルに学ぶ、札幌市内6つのスキー場の楽しみ方

札幌市内には、それぞれ特徴の異なる6つのスキー場がある。どこがどう違うのか。それはローカル(地元)に聞くのが一番!ということで、札幌の狸小路8丁目にある北欧アウトドアウェアセレクトショップ「UPLND札幌」の三上大紀さんに各スキー場の楽しみ方を教えてもらった。

text: Gentaro Kodama

上質なパウダースノーと景色、そしてナイトライフ。
札幌は最上級のスノーリゾート

世界にはさまざまな街があるが、人口100万人以上の大都市で年間5メートルも雪が積もる街は札幌しかない。世界でも希有なスノーシティで、雪山が身近な札幌では、市民の多くが幼少期からスキーやスノーボードに慣れ親しんでいる。

三上さんは、モーグルの選手として全日本選手権に出場した経歴の持ち主。

Haglöfsなどの日本総代理店として札幌市民のアウトドアライフを支える店「UPLND札幌」。
UPLND札幌:https://www.instagram.com/uplnd_sapporo/

3歳からスキーを始めた三上さんもその一人。これまで世界のさまざまな雪山を経験してきた中で地元・札幌はスノーリゾートとして「桁違い」だと絶賛する。「日本にはニセコや白馬、世界にもウィスラーやアルプスなどがありますが、ここまで街とスキー場が近い場所はありません。朝滑ってから仕事に行き、仕事帰りも滑りに行ける。そんな贅沢ができるのも札幌という街ならではですし、食べものが美味しいのも魅力だと思います」。日本3大歓楽街の“すすきの”がある札幌。確かにこれほど充実したナイトライフが過ごせるスノーリゾートは世界を探しても他にない。

標高の高いサッポロテイネ、札幌国際スキー場からは日本海が望むことができる(写真はサッポロテイネ)。

「僕が声を大にして言いたいのは日本海があることの凄さ。カナダもヨーロッパも雪山は海から離れていますし、あっても北欧の一部のスキー場くらい。オーシャンビューが楽しめるスキー場があること自体が世界でも珍しい」。さらに日本海は札幌に降る雪にも大きな影響を与えている。「札幌の雪はシベリアの低気圧で冷えて乾燥した空気が日本海の水蒸気と出会ってつくられています。その雪は海辺こそ湿っていますが、雪山は上空が乾燥しているので、サラサラなパウダースノーになるんです」。パウダースノーというとニセコや富良野が有名だが、札幌にもそれらと同じ上質な雪が降る条件がそろっているのだ。

空港から最もアクセスしやすい!
数々のオリンピアンを輩出してきたサッポロテイネ

空港からJRとバスを乗り継いで約1時間で到着する。

まず紹介してもらったのは三上さんのホームゲレンデであるサッポロテイネ。札幌オリンピックの会場になったことでも知られる本格的なスキー場だ。「サッポロテイネは高速道路の札幌手稲ICを下りて10分でスキーブーツが履けちゃうのが、一番の魅力。新千歳空港から最もアクセスが良いスキー場と言っていいんじゃないかな」。

サッポロテイネにはプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが主催するスキースクールがあり、三上さんも卒業生。これまで多くのプロスキーヤーを輩出している。

「サッポロテイネは世界的に見ると山自体は大きくないですが、斜度があるコースが多いので自然とスキー技術が上がります。おすすめは女子大回転コース。ねじれのある急斜面で滑りがいがありますし、自分の技術もそこで培われました。スタート地点から札幌市内が一望できるのも魅力で、天気が良いと日本海沿岸のカーブがくっきり見えて、留萌や増毛の方まで見渡せます。見晴らしが良く、何本滑っても気持ちの良いコースです」。

スキーヤーもスノーボーダーも満足できるコースがそろう。

山頂を中心としたハイランドと、麓近くのオリンピアの2つのゾーンに分かれており、三上さんは初心者やファミリーにはオリンピアのレインボーコースを勧める。約2kmの緩斜面で滑りを練習するのに最適なコースで、山頂のハイランドのナチュラルコースと合わせると北海道最長となる総距離6kmのロングライドが楽しめる。「サッポロテイネでは自己責任になりますが、ゲートからコース外に出てバックカントリーも可能です。まさにビギナーからプロまで幅広く満足できるスキー場だと思います」。

INFORMATION

サッポロテイネ
住所:札幌市手稲区手稲本町593
TEL:011-682-6000
営業時間:9:00~16:00(一部コースでナイター営業あり)
公式サイト:https://sapporo-teine.com/snow/

極上の雪質を誇る、
滑りも食事も帰りの温泉も楽しい札幌国際スキー場

札幌国際スキー場は営業期間が長く、例年11月中旬〜5月上旬まで滑ることができる。

札幌の中心部から車で1時間ほどにある札幌国際スキー場は、サッポロテイネよりも標高が高く、北海道でも屈指のパウダースノーが楽しめることで有名だ。平坦な斜面が少ないこともあり、特にスノーボーダーから絶大な人気を誇る。「ホームゲレンデとして腕を磨くスノーボーダーが多く、世界で活躍するプロもたくさんいます。上手くなりたい人は特にオススメ。見て学べますよ」。

もちもちの縮れ玉子麵に、ジューシーな竜田揚げが乗った、札幌国際スキー場「ラビット」名物のカレーラーメン。1280円。

ここはゲレンデの食事が充実しているのも魅力。三上さんも「レストランだけでなく、ピザ屋やラーメン専門店もあって飽きることがありません。特に名物のカレーラーメンをぜひ食べてほしい。ほどよく滑り疲れたときに食べる山頂のソフトクリームも最高においしいですよ」。

豊平峡温泉には本格的なインドカレーを提供する食堂もあり、そこに寄るのも三上さんのお気に入り。

お楽しみは他にもある。「帰り道に定山渓温泉や豊平峡温泉があるのも、札幌国際を選ぶポイント。札幌国際で遊ぶローカルは誰でも、帰りに寄って帰る鉄板ルートがあると思います。僕も温泉に入るのはマストですし、藤野にある『カラバトカリー』でカレーを食べて帰ることも。そうしたアフターも含めて楽しめるのが、札幌国際の魅力ですね」。

INFORMATION

札幌国際スキー場
住所:札幌市南区定山渓937番地先
TEL:011-598-4511
営業時間:9:00~17:00
公式サイト:https://www.sapporo-kokusai.jp/

アクセスしやすい立地。
ナイターも魅力な、さっぽろばんけいスキー場

コースは全17種類。初心者から上級者まで楽しめる多彩なバリエーション。

さっぽろばんけいスキー場は札幌市中心部からのアクセスが抜群に良いスキー場。地下鉄「円山公園」「発寒南」「真駒内」の3つの駅から路線バスが出ていて、レンタルコーナーも充実しているので旅行中でも気軽に立ち寄ることができる。

認定コースがあるのでモーグルやスノーボードの各種大会も盛んに行われている。

特筆すべきは国際スキー連盟公認のモーグルコースとハーフパイプがあること。「期間は限定ですが、ハーフパイプは全国でも最大規模を誇り、見ているだけでも楽しいですよ」。さらにナイター営業も行っていて、平日は21時、土曜日は22時までオープンしている。「僕の子どもが近くの幼稚園に通っていたので、帰りによく一緒に行っていました。地元の子どもたちが多く利用していて、しかも上手い子がたくさんいる印象です。ここもゲレ食がおいしく、オススメは牛丼かな」。

INFORMATION

さっぽろばんけいスキー場
住所:札幌市中央区盤渓410
TEL:011-641-0071
営業時間:9:00~21:00(土曜日は22:00)
公式サイト:https://www.bankei.co.jp/

札幌の夜景に向かって滑る感動!
ロマンチックな札幌藻岩山スキー場

札幌駅から車で約30分、オンシーズンには地下鉄「真駒内」駅から臨時の直行バスもでている。

夜も滑れるスキー場となると、札幌藻岩スキー場も外せない。「日本新三大夜景に選ばれている札幌の夜景がゲレンデから一望できて、とにかくロマンチック。僕も初めて見たときに景色がキレイすぎて感動しました。なによりここではサッポロテイネや札幌国際ではできないナイターパウダーが楽しめます」。

スキー専用のゲレンデで、スノーボードは全面滑走禁止。

地元の子どもたちに向けたスキーレッスンが盛んなスキー場だが、「意外と斜度があり、エキサイティングな滑りが楽しめるので、地元の人や子どもたちだけなのはもったいない。ですが、そのおかげで、未圧雪でパウダーなところが残る穴場だったりもします」。

INFORMATION

札幌藻岩山スキー場
住所:札幌市南区藻岩下1991
TEL:011-581-0914
営業時間:9:00~16:00(ナイターは16:00〜21:00)
公式サイト:https://www.rinyu.co.jp/moiwa/

ショート利用にうれしい、
地元に愛されるフッズ・スノーエリア

アクセスは、札幌の中心部から定山渓に向かって車で約30分。アパホテル&リゾート〈札幌〉より地下鉄「真駒内」駅経由のバスも出ている。

定山渓に向かう途中の藤野にあるフッズ・スノーエリアは、「リーズナブルな価格設定が魅力」と三上さん。「リフト券が2時間、3時間、4時間、6時間と細かく設定されていてチケットを無駄にしなくていい。少しだけ滑りたいときに最適です。レンタル料金も大人4時間3700円〜とリーズナブルなのもうれしいです」。コースは6種類と少なめだが、山頂のダイナミックコースは最大斜度が38度。全長1,200mと距離もあり、上級者でも滑りがいがある。

INFORMATION

フッズ・スノーエリア
住所:札幌市南区藤野473-1
TEL:011-591-8111
営業時間:9:00~16:00(ナイターは16:00〜21:00)
公式サイト:https://www.fujino-yagai-sports.jp/winter/

スキー以外の雪遊びも充実する
ファミリー向けの滝野スノーワールド

公共機関でのアクセスは、地下鉄「真駒内」駅からバスで約32分。園内にはレストランや軽食コーナーもある。

冬の滝野のアクティビティの中で一番人気のチューブそり。

ラストは札幌市南区の大自然に囲まれた「国営滝野すずらん丘陵公園」。冬になると滝野スノーワールドと名前を変え、複数の雪遊びを用意している。ここにあるファミリーゲレンデは、リフトのスピードも遅め。「斜面もゆるやかなので、初めてスキー、スノーボードをする人や子どもが楽しめるスキー場だと思います。ほかにも歩くスキーやスノーシューなどもあり、国内最大級、200mの距離をスノーチューブに乗って滑り降りるそりすべりも迫力満点です」。

INFORMATION

滝野スノーワールド
住所:札幌市南区滝野247
TEL:011-592-3333
営業時間:9:00~16:00
公式サイト:https://www.takinopark.com/snowworldtop/

「明日はどのスキー場に行くべきか、夜の食事はどこがオススメか、いつでも相談しに立ち寄ってほしい。買い物をしなくてもいいので、気軽にお店に来てくれたら」と三上さん。

PROFILE

三上大紀(ライフスタイルプロモーター)
みかみ・たいき/札幌で生まれ育ち、10代からモーグル選手として全日本選手権などで活躍。現在はRCTジャパンのライフスタイル事業部に所属し、狸小路8丁目にある「UPLND札幌」をベースにマーケティングやアスリート対応などを担当する。