朝活
2023.10.06

イベント期間は終了いたしました。

早起きは三文の徳!? 札幌観光の新スタイル「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」

ナイトライフが充実している札幌では、つい夜更かししがちになるかもしれない。だが、札幌は朝もまた格別なのを知っているだろうか。澄んだ空気と心地よく注ぐ朝日。そんな爽やかな札幌の朝を、自転車に乗って巡るツアーがある。その名も「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」。いつもより少し早起きして参加してきた。

photo: Ryoichi Kawajiri / text&edit: Gentaro Kodama

「札幌の朝」を7時から始める

日本有数の観光地である札幌には、早朝から楽しめるコンテンツが意外と少ない。街歩きも身体を動かすアクティビティも、大半は朝9時スタート。その中で「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」は、集合時間が朝7時と2時間も早い。しかも集合場所がすすきのから歩いて数分の「フェアフィールド・バイ・マリオット札幌」と、まちなかにある。参加しやすく、9時半には解散となるので、観光に時間を割けない出張で来たときも、仕事に出掛ける前に札幌を遊べてしまう。

体力に不安のある人や家族で体力差がある場合も、電動アシスト式のEバイクがあるので安心して参加できる。

コースは札幌中心部の観光地を巡る10kmと、都会のすぐそばにある自然をたっぷり堪能できる20kmの2種類。自転車もクロスバイクと電動アシスト付きEバイクを選べる。今回は参加した後に仕事をすることを考え、気軽に走れる10kmコースで、体への負担と疲労が少ないEバイクをセレクトした。

ヘルメットはマイク&スピーカーを搭載。道中のガイドの説明が聞こえやすくなっている。

定番の観光地が貸し切り状態に!

Eバイクの乗り方や走行時の手信号、注意点などを学び、サドルの高さを調整したら、いよいよサイクリングツアーの開始だ。まずはガイドを先頭に街のシンボル「さっぽろテレビ塔」を目指す。目覚めたばかりの札幌の街は、まだ人通りが少なく、その中を駆けるのは爽快感と開放感にあふれている。早起きした特権ともいえる爽やかな光景に優越感もあり、自然と心がはずみ、ペダルを漕ぐ足も軽やかになっていく。

この日の気温は17℃。次第に身体が温まってくるので、脱ぎ着できる服装で参加したい。

テレビ塔では、道路脇に自転車を止めて真下から観賞。間近で見る空に向かって伸びる塔はド迫力の存在感で、大通公園側からの景色に見慣れている人には新鮮に映るはずだ。続いて目指すのは「さっぽろ時計台」。普段は観光客でにぎわう時計台も、早朝ゆえ記念撮影スポットが貸し切り状態!サイクリングツアー参加の証として、ぜひ自転車を抱えて撮影しよう。

撮影台を独り占め!これぞ早朝サイクリングの醍醐味だ。

テレビ塔、時計台と続き、ツアー序盤のラストを飾るのは“赤れんが庁舎”の愛称で親しまれる「北海道庁旧本庁舎」。10kmコースでは札幌定番の観光名所が目白押しで、ここまでの行程も徒歩だと30分ほどかかるが、自転車だと半分の約15分。サイクリングツアーでの早起きは「三文の徳」ならぬ、「三軒巡るのがラク」だったりするのだ。

朝の爽快さは桁違い。北海道大学をライドオン!

赤れんが庁舎を抜けると、ツアーも中盤。舞台を北海道大学(以下、北大)の構内に移し、これぞ「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」の真骨頂と言うべき時間を迎える。北大にはクラーク像やポプラ並木などの見どころがたくさんあり、それらを自転車で縦横無尽に巡っていくのだが、信号のない構内は都心以上にサイクリングの爽快感がアップする。

日本でも有数の広さを誇る北大の札幌キャンパス。ツアーを通して、その広さも実感できる。

クラーク像で有名な北大には、他にもお札にもなった著名人をはじめ、さまざまな銅像がある。

豊かな緑が生い茂る森の香りと、構内の牧場に暮らす生きものたちの匂い。北大構内には都会と自然が調和した世界が広がっていて、札幌の中心部から数分で、こんな大自然があることに驚く。

北大の中に牧場が!マンションやビルとのコントラストが都市と自然の近さを分かりやすく伝えてくれる。

通勤や通学の人たちが増えてくる8時半には、構内にあるコンビニ「セイコーマート」で朝食休憩。このサイクリングツアーには、ホテルメイドのパンとコーヒーが付いてくるが、そのタイミングも実に絶妙だ。ホテルを出発して1時間半、休み無く自転車を漕いできた身体に温かいコーヒーが心地よく、クロワッサンがほどよく小腹を満たしてくれる。食事を終えたら、ゴールまでラストスパート!日本でのビール造り発祥の地「サッポロファクトリー」を経由して、一路スタートしたホテルを目指す。

朝食のパンは2種類。北海道銘菓も付いてきておトクだ。

“朝活”で札幌がもっと好きになる

「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」では、観光スポットはもちろん、信号で止まる度にガイドから、さまざまな解説やエピソードが飛び出してくる。本ツアーを企画し、今回のガイドを務めてくれた田中亨さんによるとガイドは皆、それぞれに別の仕事を持っていて副業で行っているという。「全員で情報を共有し、常に内容をブラッシュアップしながら、札幌という街が楽しくなる解説を心掛けています」。“札幌好き”な自転車仲間が集い、清々しい朝を舞台に繰り広げられる「SAPPORO GOOD MORNING RIDE」。札幌の旅は、朝のスタートを変えるだけで、さらに充実した1日になることだろう。

「札幌には旅ナカでの観光コンテンツがまだ少なく、食以外の楽しさを提供したかった」とツアーを始めたきっかけを振り返る。

札幌の自然をもっと感じたい人は、川沿いや坂道を走る20kmコースもおすすめだ。

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