パウダースノーの穴場！札幌国際スキー場から冬を楽しみつくそう

札幌国際スキー場をホームゲレンデに、
定山渓での冬遊びをディレクション。

札幌の奥座敷・定山渓は、このWebマガジンでも何度も紹介してきたエリア。定山渓の紅葉スポット・錦橋の近くにある「TERMINAL」では、夏はSUP、冬はスノーボードを中心としたアクティビティを提供している。館長の跡部竜さんは、高校時代にスノーボードの魅力にハマり、大学卒業後に単身カナダに渡って腕を磨いた後、冬はニセコ、夏はオーストラリアと一年中雪を追い求める生活を続けていた筋金入りのボーダーだ。

札幌出身の跡部さん。「自由さ」に魅せられて、スノーボードの世界で活躍を続ける。

TERMINALという名前には、都会から自然へと乗り換える終着駅と、フィールドに出るための始発駅という意味が込められている。

ボードのチューンナップも担当する跡部さん。ニュージーランドの老舗ワークショップで学んだスキルは道内屈指。

跡部さんの拠点は、定山渓の温泉街から車で20分ほどの札幌国際スキー場だ。その魅力について尋ねると「何といっても雪質です。市内のほかのスキー場に比べて標高が高く気温も低いので、サラサラの雪質になるんです」と即答する。さらに11月中旬のシーズン当初から雪が豊富で、札幌近郊のスキー場の中では営業期間が長いのも魅力だという。「ゴールデンウイーク頃までは滑れるので、仲間と一緒に軽装でのスノーボードを楽しんでいます」。

札幌市街から車で約1時間、小樽からも40分というアクセスも魅力。

広大なゲレンデとバラエティに富んだ全7コース。

最大滑走距離3.6キロというロングコースをはじめ、札幌国際はコースも多彩で、初級者から上級者までレベルやその日の気分に合わせて楽しめる。「山頂のカフェでホットドリンクを飲みながら、コースを滑る人を見るのも好きです。スキーやスノーボードはちょっと無理という人でも、ウインタースポーツの雰囲気が味わえますよ」と跡部さん。ゴンドラ「スカイキャビン」には往復券もあるので、滑りが苦手な人も山頂でのひとときを楽しめる。

山麓から山頂まで約10分で結ぶ8人乗りゴンドラ「スカイキャビン」。乗っている間に変わる眺めも美しい。

山頂のカフェ「SKS INTERNATIONAL」。目の前に広がる絶景とグルメを目当てに訪れるのもアリ。

ゲレンデからは小樽の街と石狩湾が見渡せる。この眺望も札幌国際の大きな魅力。

札幌国際の極上パウダーと懐の深さが、
世界に知られる日もそう遠くはない。

札幌国際のパウダースノーを満喫するなら朝イチが狙い目。圧雪されたばかりのバーンの横はパウダースノーで覆われていて、ダイナミックな雪煙を上げながらの滑走が楽しめる。「ふかふかの新雪の上を滑る浮遊感は、何度味わっても最高です。エキスパートならダウンヒルコースなどチャレンジングなコースで技術を磨くとか、初心者ならファミリーコースで練習するとか、いろんな楽しみ方ができるスキー場ですね」。多様なニーズを受け入れてくれる懐の深さこそ、跡部さんが札幌国際に通い続ける理由なのだ。

圧雪されていない新雪を滑る爽快感もパウダースノーの魅力。

世界的に有名なスノーリゾートとなったニセコは、海外からのスキーヤーで飽和状態になりつつある。感度の高い人たちが次に注目しはじめているのが、この札幌国際なのだという。「外国人の方も以前より見かけるようになりました。スキーやスノーボ―ドはもちろん、雪にダイブしたり、写真を撮ったり、思い思いに北海道の冬を満喫しています。世界的に見るとまだまだ穴場ですが、近い将来に必ずメジャーになりますよ」と跡部さんは予言する。

スキーやボード、ウェアなどのレンタルも充実していて、手ぶらでも楽しめる。

高速4人乗り「エコークワッドリフト」は機動力も抜群でリフトの待ち時間も短縮。

SAJ・JSBAの公認スクールとして多彩なレッスンプログラムも用意されている。

アフタースキーはグルメと温泉でリフレッシュ、
これが冬の定山渓のゴールデンコース。

定山渓はアフタースキーのお楽しみも充実している。跡部さんにおすすめを尋ねると、イチオシはやはり「TERMINAL」に併設しているカフェだという。「うちのサンドウィッチはとにかくボリューミー。滑ったあとはお腹が空きますから、ぜひ立ち寄ってコレを食べてほしいですね」。元イタリアンシェフの店主・中村さんが香ばしく焼き上げた鶏肉に、自家製のテリヤキソースがマッチした極上の味。店内で焙煎されたコーヒーとの相性も抜群だ。

窓のすぐそばに定山渓の自然を感じられる店内は、スタッフが自らリノベーションしたもの。

道内産の鶏肉を使った「テリヤキチキンサンド（ポテト付）」1,450円（取材時価格）。見た客が思わず叫ぶほど、ボリューミーなため「スクリーミングサンド」の名がある。

店内ではスノーボードやSUP、その他アウトドアグッズの販売も行っている。

ほかに跡部さんがすすめてくれた定山渓グルメは、温泉街の老舗ラーメン店「食堂こんの」。昭和テイスト満点の店だ。「昔ながらのシンプルな味噌ラーメンですが、これが今じゃなかなか食べられないおいしさです。お客さんが少ないときは、親父さんから定山渓の歴史について教えてもらえますよ」。

店構えもノスタルジックな「食堂こんの」。定山渓温泉街で40年以上の歴史を誇る。

具だくさんの味噌ラーメンは和風ベースのやさしい味わい。

雪まみれで遊んだ疲れを癒す温泉も札幌国際帰りの定番コースだ。跡部さんの行きつけは、定山渓から少し奥に入った「豊平峡温泉」、札幌から向かうと定山渓の手前にある小金湯温泉の「湯元旬の御宿まつの湯」、そしてTERMINALからほど近い「旅籠屋 定山渓商店」のサウナ。「豊平峡は温泉成分が濃くて芯から温まる気がします。まつの湯は露天風呂からの眺めにも癒されますね。定山渓商店のサウナは小さいけれどこだわりが満載で、サウナ好きにはたまりません」。時間がないときには無料の足湯で体を温めるのも、定山渓の醍醐味だ。

100%源泉かけ流しの温泉と四季折々の景観を堪能できる露天風呂が自慢の豊平峡温泉。

まつの湯の露天風呂からの冬の眺め。豊平川の清流と対岸の山の景色が目を楽しませてくれる。

「熱熱熱燗サウナ」の名の通り、定山渓商店のサウナ内には日本酒に例えた温度の説明がある。

定山渓温泉街内にある足湯の一つ「足のふれあい太郎の湯」。通年で利用できて無料なのがうれしい。

Profile

跡部 竜（TERMINAL Director／館長）
あとべ・りゅう／札幌市出身。大学卒業後、本格的にスノーボードと向き合うため単身カナダへと渡る。国内では札幌とニセコを拠点とし、夏には南半球でシーズンを過ごし、活動の幅をグローバルに広げる。ニュージーランドでは老舗ワークショプでチューンナップのノウハウを学んだ。自身が経験し、感銘を受けた遊びをより多くの人々に体験してもらうため、館長としてTERMINALの立ち上げに参画。